糖尿病医の糖尿病日記

糖尿病(MODY3)の糖尿病医が糖尿病の記事を書きます.

GLP-1受容体作動薬の最新情報をまとめてみた

昨今のGLP-1受容体作動薬にかんするニュースをまとめました.

 


・なるべく最新のエビデンスをもとに記事を作成していますが,個人の意見になります.
・特定の薬剤の使用を推奨するものではありません.
・利益相反はありません.

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「飲み薬」GLP-1受容体作動薬,リベルサス®

2型糖尿病治療薬のひとつ,GLP-1受容体作動薬ですが,これまではインスリンと同様,注射タイプしか使用することはできませんでした.
そのため,導入のハードルが高く,治療コストも問題になっていました.

そんななか,2021年2月,経口GLP-1受容体作動薬「リベルサス®」が日本でも使用できるようになりました.現在は長期処方も解禁されています。

リベルサスに関しての記事はこちらもご参照ください.↓

odaqdm.com

 

 

GLP-1受容体作動薬を注射から内服に変更し,医療費抑制に期待

GLP-1受容体作動薬以外の注射薬を使用していない場合,注射から内服薬に変更すると自己注射指導管理料がなくなりますので,自己負担金が減ることがあります 

 

 

飲み方が煩雑なのと、患者さんによっては、注射で効いてたのに内服で効果が不十分なこともあり、そのあたりは注意です。

 

 

GLP-1受容体作動薬はアジア人で効きがよい?

日本人を含むアジア人では,インクレチン関連薬(DPP-4阻害薬,GLP-1受容体作動薬)の感受性が高いことが知られています.

なお,リベルサス®の臨床試験であるPIONEER では,アジア人において,より血糖降下作用が高いことが示唆されています.

 

高用量のセマグルチド(Wegovy®),アメリカで減量薬として使用可能に

セマグルチドはGLP−1受容体作動薬のひとつ、オゼンピック®の有効成分です。

血糖改善効果だけではなく、高い減量効果が証明されていますが、現在は2型糖尿病の方以外には使用できません。安全性が証明できていないからです。

最近の研究で、糖尿病では無い方への投与の安全性や有効性が示され、アメリカでWegovy®という薬剤が承認されました。

以下、試験の概略です。

日本の常用量よりかなり多い用量での試験なので、そのまま本邦にもあてはめられるかは疑問ですが、肥満症治療薬としてかなり有効な選択肢になるかもしれず、期待しちゃいますね。

 

 

この数年間の糖尿病治療は大きく進んでいます。新薬が発表するたびにワクワクしますね!