内服GLP-1受容体作動薬のお話

現在,日本で使用可能なGLP-1受容体作動薬は注射薬のみですが,リベルサス®という内服のGLP-1受容体作動薬が発売目前で,期待されています.

 

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リベルサス®(経口セマグルチド)とは

セマグルチド(semaglutide)というGLP-1受容体作動薬です.
一番の特徴は,「GLP-1受容体作動薬の中で,唯一,飲み薬であること」です.

 

なお,「オゼンピック®」という注射薬が同じ成分の薬です.
もともと,オゼンピック®自体も,GLP-1受容体作動薬の中で一番の減量効果を持つと言われていました(SUSTAIN試験).

そのため,セマグルチドは海外において結構前から使用されており,実際に高い減量効果を持つ薬剤と評価されています.

 

しかし,そんなセマグルチドも,日本での発売が遅れに遅れ,2020年6月にようやく使用できるようになったという現状があります.

発売後1年間は,処方日数制限(2週間)があるので,日本ではあまり使用されていません.

 

2020年6月,ついに日本でも製造販売の承認を受ける

そんなセマグルチドの経口薬,リベルサス®が,
2020年6月,日本でも製造販売の承認を受けました.

だいたい承認→発売まで半年から1年程度を必要とすることが多いので,処方を受けられるのは早くても2021年度以降になると思います.

 

セマグルチドのエビデンス,PIONEER試験

だれもが考えることですが,
『経口薬になったなら,注射薬よりも効果が弱いのではないか?』というギモンが生じます.

結論を言うと,同程度,容量により それ以上の効果を持ちます.

エビデンスとしては,PIONEERという試験があります.
PIONEER試験は1から10まで発表されていますが,かなり乱暴な解釈で
血糖低下・体重減少効果においては

  • リベルサス®14mg ≧ ビクトーザ®1.8mg
  • リベルサス®7mg ≒ ビクトーザ® 0.9mg ≒ トルリシティ®0.75mg 

という感じです.

PIONEER試験に関しては,”Mossanの糖尿病ガジガジ日記"様の記事がとても分かりやすく纏まっているためご参照ください.

okada-dmcl.jp

 

注射薬をやめられると,病院での会計が安くなる

注射薬は飲み薬に比べて,特別な管理を必要とします.また医療行為の指導を受けるわけなので,自己注射指導管理料という窓口会計が発生します.

また,血糖測定を行っている場合はもう一段高くなってしまいます.

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いまのところ,リベルサス®の価格は不明ですが,
注射から内服薬に切り替えることができると,病院での窓口負担は大体3-4000円(3割負担)安くなります.もし注射薬と同等の薬剤価格ならば医療費も抑えられそうですね.

ただし,インスリンを併用している場合はインスリンで指導管理料が発生しますので注意です.

 

副作用としては消化器症状の頻度が高い

薬なのでもちろん副作用のリスクはあります.
現在のところ,吐き気や下痢などの消化器症状,急性膵炎などが報告されていますが,これは他のGLP-1受容体作動薬でも同様ですね.

実際の発症頻度などは今後の報告が待たれるところです.

 

いま使われている注射製剤のGLP-1受容体作動薬は,将来的に
すべて内服に切替わるのでは?と思ってしまいます.
注射は痛いですし,なるべく内服のほうが良いに決まってますよね.

 

記載:2020年9月25日