糖尿病医の糖尿病日記

糖尿病(MODY3)の糖尿病医が糖尿病の記事を書きます.

糖尿病や糖尿病合併症の予防には、適度な運動とナッツ摂取を習慣に

 記載:2020年9月1日

"医者だけど自分なら絶対にやる事やらない事"というタグが流行しましたので,自分も乗っかってみました.

各項目について簡単な解説です.

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週150分以上の運動

運動習慣は,血圧・血糖を下げたり,減量,寝たきりや認知症の予防につながります.
運動習慣が健康に良いのはもはや常識ですが,具体的にはどれくらいの運動量が望ましいでしょうか?

世界保健機関(WHO)やアメリカ合衆国保健福祉省(USHHS)は,週に合計150分以上の有酸素運動を推奨しています.

 

運動することで寿命を5年程度伸ばすことができると言われています.

 

なお,具体的な「有酸素運動」としては

  • 時速4km程度のウォーキング
  • 水中運動
  • ダンス
  • ガーデニング
  • テニス
  • 時速16km程度の自転車運動

となります.
参考までにどうぞ.

 

参考元:
American Heart Association Recommendations for Physical Activity in Adults and Kids | American Heart Association

 

 

ナッツ摂取

ナッツは低カーボで,良質な脂肪酸を多く含んでいます.

これまでの研究からは,ナッツの摂取により,

2型糖尿病の発症や,肥満の抑制につながることが報告されています.

 

また,ハーバード大学公衆衛生大学院の調査から,
糖尿病の人がナッツを食べると,
心血管疾患(心筋梗塞など)や脳卒中のリスクが低下することが明らかになりました.

 

なお,具体的な摂取量としては,1日あたり0.5サービング(14g)
または週5サービング(140mg)程度が推奨されます.

 

余談になりますが,魚介類・オリーブオイルやナッツを主に使用した「地中海食」は
世界で最も有名な医学誌のひとつ「The New England Journal of Medicine」でとりあげられ,近年,糖尿病治療食として注目を浴びました.

 

参考元:

ナッツが糖尿病リスクを低下 ジャンクフードをナッツに置き換える食事法 | ニュース | 糖尿病ネットワーク

Eating a daily serving of nuts linked with lower risk of heart disease - Harvard Health

 

ナッツはすこしお値段が張りますが,色々な健康食品をあれこれ始めるよりも
まずは効果が実証されている「運動・ナッツ摂取」を習慣にしてみるのはいかがでしょうか.