記載:2020年8月24日
この論文をひとことでまとめると:
フリースタイルリブレを使用している方で,スキャン回数と血糖コントロール状況の関係を調べたら,スキャン回数が多い方ほど血糖コントロールが良い結果になりました.
Real-world flash glucose monitoring patterns and associations between self-monitoring frequency and glycaemic measures: A European analysis of over 60 million glucose tests
PMID: 29278709
〇背景:
- これまで,指先を穿刺し少量の血液を用いて血糖測定を行うSMBG (Self Monitoring of Blood Glucose)が主流でした.
- 血糖測定が多いほどコントロールが良くなることが知られていましたが,痛みを伴うため長く継続することが困難でした.
- 最近のイギリスでの報告によると,インスリンを使用中の方でも平均2.1回/日程度の測定にとどまっていることがわかりました.
- これに対して,最近登場した「フリースタイルリブレ」は,指先を穿刺せずとも血糖を測定できる点から,測定回数の増加,ひいては血糖コントロールの改善に一役買うのではないかと言われていましたが,具体的なデータは不明でした.
〇対象と方法
- 2014年9月から2016年5月までヨーロッパ7か国の登録施設にて使用された55,343個のフリースタイルリブレのデータを用いて解析が行われた.
- 記録されたスキャン時間,回数,推定HbA1c値,低血糖イベント時間の解析を行った.
〇結果
- 1日あたりのスキャン回数の平均値は16.3回/日,中央値は14.0回/日 であった.
- 1日あたりのスキャン回数が増加すると,推定HbA1cおよび高血糖・低血糖の時間がそれぞれ低下する傾向にあった.また至適血糖の時間は逆に増加する傾向にあった.
(文献より引用)
A:スキャン回数と推定HbA1c値
B:スキャン回数と高血糖時間
C:スキャン回数と至適血糖時間
D:スキャン回数と低血糖時間(70mg/dL未満)
E:スキャン回数と低血糖時間(55mg/dL未満)
F:スキャン回数と重症低血糖時間(45mg/dL未満)
〇結論:
フリースタイルリブレを使用している糖尿病患者では,1日のスキャン回数を多くするほど血糖コントロールが良好になる傾向がある.
ちなみに自分は12回/日でした.
リブレを使っている方は,「履歴を見る」→「センサーの使用状況」というところで簡単にチェックできますので,参考にどうぞ.