糖尿病医の糖尿病日記

糖尿病(MODY3)の糖尿病医が糖尿病の記事を書きます.

10年後の糖尿病治療はどうなる?

pipipi...あっ,低血糖アラームだワン.ブドウ糖を摂取するワン.

・・・なんか,糖尿病治療ってこの10年でずいぶん進化したよね.

そうワンかね?

実は今マージョリーくんが使ってる血糖モニタリング機器やインスリンも,全部この10年間で新しく開発されたものなんだよ.

 

 

糖尿病の治療はめざましく発展しています.

現在の糖尿病治療で当たり前のように使用されているDPP4阻害薬やGLP1受容体作動薬,SGLT2阻害薬.これらはすべて,ここ10年~20年ほどで開発・発売となった薬剤です.

・DPP4阻害薬が発売(2009年)
・GLP1受容体作動薬が発売。
 一日2回注射(2010年)→週1回注射(2013年)→内服薬(2021年)。
・SGLT2阻害薬が発売(2014年)
 →1型糖尿病で使用可能に(2018年)

・ツイミーグ®発売(2021年)

糖尿病医療 進歩の歴史 -全記録年表-より引用

特に,DPP4阻害薬やSGLT2阻害薬は,その発売直後から合併症の頻度が大きく減るほど糖尿病治療に大きく貢献しており,今後も続々と新薬が登場していくと思われます.

 

また,2022年はインスリンが発見されてから100年ということも記憶に新しいですが,インスリン製剤もここ20年でどんどん発達し続けています.

 

いわゆるヒトインスリンの構造が解明されたのは1969年の話ですが,その後も遺伝子組み換えの技術が発達するにつれ,ヒトインスリンの構造を並び替えたり,添加物を追加することで,作用する時間が早くなったり,逆にゆっくり効くようになることがわかりました.

現在使用されているインスリン製剤のほとんどは,2000年以降に開発・発売されたものです.

超速効型インスリンのノボラピッド®,ヒューマログ®が発売(2001年)

時効型インスリンのトレシーバ®発売(2013年)

超超速効型インスリンのフィアスプ®,ルムジェブ®が発売(2020年)

糖尿病医療 進歩の歴史 -全記録年表-より引用

また,週一回インスリンのインスリンアイコデックもそろそろ発売というところまで治験が進んでいます.10年後には,時効型インスリンは週1回がスタンダードになっているかもしれませんね.

 

さらに,最近はインスリン価格が高騰していることが社会問題となっており,特に医療費負担が大きいアメリカでは薬価引き下げの運動が行われています.

answers.ten-navi.com

日本においても2013年から薬価を抑えたインスリンのバイオシミラー,インスリンアスパルトやインスリンリスプロ,インスリングラルギンがが発売されています.

 

さらに,近年のコンピュータアルゴリズムやスマートフォンデバイスの進化により,血糖値のモニタリングアルゴリズムや,インスリンポンプの技術も進化しています.

・フリースタイルリブレ保険適応(2017年)
→フリースタイルリブレ適応拡大(2022年)
→CGM適応拡大(2023年)

・ハイブリッドクローズドループシステムのインスリンポンプ(770G)発売(2022年)

また,かざさなくても血糖モニタリングが可能なフリースタイルリブレ2がそろそろ日本でも使えるようになる見込みです.

ちょっと前までは,血糖測定が3秒で出るようになることを喜んでいたのに,血糖値がリアルタイムで表示されるなんていい時代になったなぁと思っています.

またアップルウォッチが血糖モニタリング機器を搭載するかもという記事も出ており,10年後にはスマートウォッチで確認できる時代が来るかもしれないですね.

 

「糖尿病はなおらない病気なので,,,」と言われ落ち込んだ方もいると思うんですが,ここ10年でみても物凄く治療が進んでいます.さらに10年先はもっと進んでいると思います.そのときを夢見て今日も血糖コントロールを頑張っていきましょう.

好きなだけお菓子を食べられるようになりたいワン.

わかる!