フリースタイルリブレとは
フリースタイルリブレは、「間歇スキャン式持続血糖測定器(isCGM)」とよばれる血糖モニタリング機器です.血糖概算値のリアルタイムな推移が見れるのと、寝ている間も血糖のヨコの流れがわかるので、夜間低血糖もわかる非常に便利な機器です。
患者さん向け:FreeStyleリブレ・FreeStyleリブレLink特徴|FreeStyleリブレ情報サイトより引用
センサー自体は500円玉より少し大きい程度でしょうか.センサー中央から長さ5mmくらいのフィラメントが伸びており,脂肪組織の中のグルコース(糖分)濃度を測定し,血糖を概算します.
なお,1つのセンサーで2週間使用することができ,使い捨てなので都度付け替える必要があります.
フリースタイルリブレでどんなことがわかるのか
これまで血糖測定は,血液をとったその時点だけの血糖値,いわゆる「点」の血糖値しか測定できませんでした.
フリースタイルリブレを使用することによって,食事をした後や運動時の血糖推移や,寝ている間の血糖推移がモニタリングできます.
センサーをかざすことによって,直近8時間のグルコース値が表示されます.
食前の空腹時血糖は普通でも,食後血糖が高いということがわかります.
インスリンの量が多すぎて,低血糖になっています.
グルコース値の推移は本体に保存され,後からトレンドを参照することが出来ます.
寝ている間,気づかないうちに低血糖になっていました.
このように,指先の血糖測定だけでは気づけなかった
「隠れ高血糖」「隠れ低血糖」がわかります.
フリースタイルリブレはどこで手に入れられるのか
2023年8月現在、フリースタイルリブレの入手方法は
①かかりつけの病院やクリニックで,血糖測定器としてフリースタイルリブレを処方してもらう.
②ネットや処方箋薬局などで自費購入する.
の2つがあります.
それぞれ説明します.
①に関しては,2023年8月現在,インスリンを1日1回以上使用している方が保険診療内で使用可能です。自己血糖測定とは異なり,GLP-1受容体作動薬の注射剤のみ使用している方は不可ですので,注意が必要です.
なお,センサー代や管理費として,月あたり1,250点が加算されますので,3割負担でしたら病院での窓口会計が月3,750円程度増となります.
病院やクリニックによっては,フリースタイルリブレを扱っていないところもあるので,主治医に確認するのがよいです.
②に関しては,アマゾンや楽天などの通販サイトで簡単に購入が可能です.このページでは②のやり方について解説します.
必要なもの
①FreestyleリブレLinkをインストールした,NFC対応スマートフォン
または,Freestyeリブレ リーダー
②Freestyleリブレ センサー (14日ごと交換)
③気になる人は,消毒用アルコール綿.
以上です.
まずお使いのスマートフォンが対応しているか調べましょう.
フリースタイルリブレの使用には「FreestyleリブレLink」というスマートフォンアプリを使用します.
現在発売されているほとんどのスマートフォンで対応していますが,一応,公式サイト患者さん向け:特徴|FreeStyleリブレLink情報サイトで対応機種を確認しましょう.
対応している場合は,アプリのインストールで準備完了です.
iPhoneの方はこちら.
Android端末の方はこちら.
なお,対応していない機種やガラケーの場合でも,別途「Freestyleリブレリーダー」という読み取り機を購入すれば大丈夫です.5-6000円くらい.
次にフリースタイルリブレのセンサーを購入しよう.
Amazonや楽天で購入が可能です.リンクを貼っておきます.
センサー1つあたり14日間の使用が可能です.2個セット,3個セットだと割安になります.
私が診察している患者さん情報によると,処方箋薬局でも購入が可能なところがあるようです.
フリースタイルリブレのセンサーを装着しよう.
あとはスマホアプリに従ってリブレセンサーを二の腕付近に取り付けて,アプリを起動してセンサーを同期するだけです.
アボットのホームページに,装着の動画もありますのでご参照ください.
取り付けに伴い,たまにセンサー真ん中の穴から血が出るすることがありますが,ほとんどの場合は測定値に影響はないとされていますのでご安心ください.
フリースタイルリブレを使用する際の注意点
測定誤差とタイムラグ
フリースタイルリブレは,実際に血糖値を測定している訳ではなく、間質液(皮下脂肪)からアルゴリズムを用いて血糖値を推定していますので,実際の血糖値と比べてだいたい 15 分程度のタイムラグがあります.また,特に新しいセンサーをつけ始めて24時間以内の場合は,実際の血糖値との乖離が大きいといわれています.
最初のうちはSMBG(指先での血糖測定)と組み合わせて判断を行ったほうがよいです.センサーの正確性もけっこう個体差があり、実際より高め・低めの値が出続けるセンサーも遭遇します.過去に誤差が大きいロットのフリースタイルリブレのにおいて低血糖/高血糖による健康障害も報告されています.
テープかぶれ
フリースタイルリブレは粘着テープで肌にくっつきますので,特に夏場はテープかぶれが多く,悩まされる方が多いです.
こちらの記事もご参照ください.
困ったときは
基本的にはアボット社のお客様相談室に電話連絡すれば対応してくれます.また,測定値の誤差が激しい際も,場合によっては無償で交換してくれることもあります.
血糖の目標値,TIRについては以下の記事をご参照ください.