「糖尿病」という病名が変わりそうです.
なんでなんだワン?
病気の実態を示しておらず,「尿」という排泄物の文字が含まれるなど,イメージが悪いのを払拭する狙いがあるそうです.
そもそも糖尿病の診断基準に尿糖は含まれていないし,尿糖が出ない糖尿病の方も多いと思うんだ.
2022年11月,日本糖尿病協会は「糖尿病」の名称変更を提言しました.糖尿病協会は,糖尿病にかかわる医療者や,糖尿病の方が中心に活動を行っている非営利団体です.
>日本糖尿病協会は7日、「糖尿病」という名称の変更を検討する方針を明らかにした。患者の大半が不快感を抱いていることなどを踏まえたもので、今後1、2年のうちに新たな病名を提案したい考えだ。日本糖尿病学会とも連携し、具体的な検討を進める。(中略) 同協会の清野裕理事長はセミナーの冒頭、「糖尿病に対する誤った認識が偏見を助長し、差別を生んでいる」と指摘。具体例として「生命保険や住宅ローンに加入できない」「就職が不利になった」「怠け者のような目で見られる」などを挙げた上で、医療従事者やメディアが事態改善に力を注ぐ必要性を強調した。
国内に患者がおよそ1000万人いるとされる糖尿病について、病気の実態を示しておらずイメージも悪いとして、専門の医師らで作る「日本糖尿病協会」は病名の変更を求める方針を決めました。今後、新たな病名を提案したいとしています。
さて,このニュースはSNSでも大きく取り上げられ,大きな反響がありました.
そのなかでも「候補となる病名はなんだろう?」ということで,いろいろな意見が飛び交いました.
「糖尿病」変えるとしたらどんな名前がいいと思いますか?理由も教えてください.
— おだQ🧬💉 (@OdaQ_DM) 2023年9月4日
いただいた意見としては,「高血糖症」「高血糖病」「高血糖症候群」「糖代謝異常症候群」「血管ボロボロ病」「インスリン産生低下症」「糖代謝異常性」などが多かったです.
『「尿」って入っているのがちょっと恥ずかしい』『そもそも変える必要はない』というご意見もありました.
発症要因や治療薬が異なるため「1型糖尿病」「2型糖尿病」を分けてほしい,という意見も多かったです.
なお,アメリカ糖尿病学会は,「1型糖尿病」から「SAID(自己免疫性糖尿病)」への病名変更を提唱しています.
なお,アメリカ糖尿病学会からは,1型と2型という呼び方はやめて,5種類に分けることが提唱されています.
— おだQ🧬💉 (@OdaQ_DM) 2021年5月28日
それぞれ病態や治療法が違い,SAID, SIDD, SIRD, MOD, MARDとよばれています. https://t.co/GzjMKAEXZz pic.twitter.com/IvWGXesjy2
医師会員向けの情報サイト,日経メディカルが集計したアンケートでは,「糖代謝異常症」がトップ,「高血糖症」「高血糖症候群」なども多数でした.
また,「名称を変更する必要はない」との意見も多かったようです.
2023年7月に開催された日本糖尿病協会年次学術集会でもその話題が取り上げられ,現在は英語の「ダイアベティス」が候補とのことです.
糖尿病当事者の私としては,とくだん名称変更の必要性は必ずしも感じませんが,こうやって「名称について議論されること」「差別的感情を受けていること」を議論してもらうことが本当の目的かもしれませんね.