記載:2020年8月27日
「血糖が高いねぇ!」と,主治医から怒られた
(または,患者に怒った)ことがありますか?
こんにちは.おだQです.
先日,Twitterでこんなアンケートを行いました.
「外来で先生に血糖を高いことを怒られて,通院したくなくなったことがありますか?」
その結果を踏まえて簡単な考察と共に紹介します.
糖尿病の方にお伺いします.
— おだQ 💉糖尿病の糖尿病医 (@OdaQ_DM) 2020年8月11日
外来でセンセイに血糖を高いことを怒られて,
通院したくなくなったことが・・・
(医師へ)血糖が高いことが原因で患者に怒ったことがありますか?
糖尿病の方を診療しているセンセイにお伺いします.
— おだQ 💉糖尿病の糖尿病医 (@OdaQ_DM) 2020年8月11日
血糖が高いことが原因で患者に怒ったことが・・・
閲覧票を除いた結果がこちら.
糖尿病の方のうち,実に3割が「医師に高血糖が原因で怒られて通院中断をしたくなったことがある」との結果でした.
また,患者と医師とで,若干の認識差が存在する可能性がありました.
医師としては軽く注意したつもりでも,患者にとっては通院をやめたくなるほど,つらい気持ちになっているかもしれません.
糖尿病の方の通院中断は,以前より大きな合併症発症リスクと知られており(*後日,文献を紹介予定),なるべく避けたほうがよい問題です.
DM-netにおけるネットワークアンケートでも,似たようなアンケートが実施されています.(患者・家族376名,医療者85名対象)
糖尿病の治療中断:患者さんが通院をやめる理由は? 糖尿病ネットワーク調査 | ニュース | 糖尿病ネットワーク
(上記サイトより引用)
通院を中断したくなった理由で、もっとも多かったのは「医療費の負担」(62%)。以下は「血糖コントロールがうまくいかない」(40%)、「時間をとるのが難しい、仕事を休めない」(26%)、「主治医・医療スタッフとの相性」(25%)、「診察の待ち時間が長い」(22%)が続いた。
糖尿病の治療中断には、血糖コントロールの悪化や、糖尿病合併症の進展など、多くの危険性がともなう。患者の87%はそのことを「知っている」と回答した。
上記によると,「主治医や医療スタッフとの相性が合わないこと」が,通院を中断したくなった理由の25%を占めた結果となりました.
確かに,せっかくスケジュールを調整して,お金をかけて受診をするのに,あれこれ怒られてしまうのは誰だって嫌ですよね.
必ずしも,糖尿病が悪くなった=生活習慣が悪かった,ではありません.
治療薬が合っていなかったり,医療者の生活指導に無理があったり,他の病気のせいで血糖が上昇していたり,...など原因は様々です.
我々医療者は,ときに治療がうまくいかないのを患者のせいにする事があります.
自分の外勤先では,隣の診察室のセンセイが患者さんに怒っているのが聞こえてきます.正直,怒られたくて外来に来ている人はいないですよね...