糖尿病医の糖尿病日記

糖尿病(MODY3)の糖尿病医が糖尿病の記事を書きます.

チルゼパチドは肥満症治療の革命児? GLP-1 / GIP デュアルアゴニストのマンジャロ®発売

2020年12月に記事にしたGLP-1/GIPデュアルアゴニストのチルゼパチド(商品名マンジャロ®)の発売日が2023年4月18日に決定しました.

 

 

チルゼパチドの有効成分であるインクレチンに関する記事はこちら↓ です.

odaqdm.com

 

なお,2型糖尿病薬・マンジャロなど14成分 3月15日に薬価収載へ | ミクスOnlineの記事によると,マンジャロ®の薬価は以下の通りです.

マンジャロ®薬価(/週)

2.5mg 1924円
5mg 3848円
7.5mg 5772円
10mg 7696円
12.5mg 9620円
15mg 11544円

 

(参考)

トルリシティ® 0.75mg 2917円

オゼンピック® 0.25mg 1376円
0.5mg 2752円
1.0mg 5504円

さて,個人的な感想としては「ずいぶん安くしてきたな!」という印象です.

わりと最大用量が多いので,10mgとか15mgとかの価格をみると高いな,と感じますが,

日本人を対象にしてデュラグルチド(トルリシティ®)と比較したSURPASS J-mono試験では,マンジャロ ®5mgの時点ですでにトルリシティ®を大きく上回った減量効果が得られているという報告があったり,

セマグルチド(オゼンピック®)と比較した試験でも,マンジャロ®5mgの時点でセマグルチド(オゼンピック®)1mgを上回る血糖改善効果が確認された,という報告があります.

そのため,現在GLP-1受容体作動薬を用いている方は,マンジャロ®の下から2番目(同じような価格帯)である5mgへの変更でも十分効果が期待できてしまう,というぶっ壊し仕様になっています.

 

今後のリアルワールドデータがとても楽しみです!!

 

★筆者に利益相反(COI)はありません.

 

参考文献:

1) Lancet Diabetes Endocrinol. 2022;10(9):623-633. doi:10.1016/S2213-8587(22)00188-7

2) N Engl J Med. 2021;385(6):503-515. doi:10.1056/NEJMoa2107519