最近,毎日の注射が大変と感じるワン。
いいニュースがあるよ。『アウィクリ』って知ってる?
スタバの新しいフラペチーノワンか?栗はすきだワン.
違うよ!!
新しい時効型インスリンなんだけど,今まで毎日の注射が必要だったのが,週1回の注射で済むんだよ。効果も今までの時効型インスリンと同等なんだ.
当ブログでも4年前に治験について記事を出していましたが,ついに2024年5月31日,厚生労働省の薬事審議会・医薬品第一部会が時効型インスリン製剤「アウィクリ(インスリンイコデク)」の製造販売を承認しました.
時効型インスリン製剤は,空腹時の血糖値を安定化させる効果があり,食事による血糖上昇を抑える超即効型インスリンと組み合わせて使用されます.これまで,時効型インスリン製剤は1日1回または2回の皮下注射が必要でしたが,こんどは週1回の投与というものが開発されました.それが『アウィクリ』(一般名インスリンイコデク)です。
同じ糖尿病の注射製剤であるGLP-1受容体作動薬は,週1回注射のものが2015年から発売されていましたが,インスリン製剤では初となります.
当時の治験の内容や,詳しい作用機序などは以下からどうぞ.
保険調剤の対象となる疾患は,「インスリン療法が適応となる糖尿病」ですので,1型糖尿病や2型糖尿病,その他の糖尿病関係なく使用が可能のようです.
規格としては,300単位いりのものと,700単位いりの2規格が発売される模様です.
さて,きになる投与方法ですが,治験の内容などをみますと「1週間分の単位をいっぺんに打つ」という感じになりそうです.つまり,1日10単位の時効型インスリンを投与している方は70単位,1日20単位なら140単位という感じです.
とはいえ,薬剤は10倍濃縮になっているようなので,実際に注射される薬液量はふだん投与している量とそれほど変わらない見込みです.濃縮製剤としてはすでに1.5倍濃縮材としてランタスXRというインスリンが実用化されています.
まあ,何がいいかというと
・注射回数が減る.
それにつきますよね.週あたりなら6回, 月あたりなら26回, 年あたりなら313回,注射を減らすことができます.
たんじゅんにQOL(生活の質)が上がるのと,毎日の注射時間がバラバラなシフト勤務の方や,ひとりで毎日の注射が難しかった高齢の方などで,さらなる血糖マネジメントの向上が見込まれそうです.
実際に使用(処方)が可能になるのは,「薬価収載」を経て「発売」となった後なので,だいたい半年~1年後というところでしょうか.そうなりますと,早くて2024年11月~2025年5月頃という見込みになります.
アウィクリについての配信のアーカイブはこちらから↓
よかったらどうぞ.
本当に楽しみだね!
早く試してみたいだワン!ところで「週ごと」だから「アウィクリ」って,ちょっと安直すぎないかワン?
たしかに.でもノボノルディスクファーマ社が『他の製薬会社にさきがけて,自社だけがつくれる週一回のインスリンだよ』,っていう自信の表れなきもする.
なるほど.じゃあ次は「マンスリ」だワンね.