糖尿病医の糖尿病日記

糖尿病(MODY3)の糖尿病医が糖尿病の記事を書きます.

糖尿病と個別化医療について書き散らす①

個別化医療という言葉をご存知ですか?

聞いたことないし,なんだか難しそうだワン.

いわゆる「オーダーメイド医療」のことなんだけど,いずれは当たり前のように使われる言葉になると思うよ.

一般的に,病気の治療をおこなうときには

「この薬が効く可能性が高いから,まずこれを投与しよう.
 それがだめだったら次にこれを投与しよう,」

というように,多くの方で有効かつ副作用が少なくなるような治療法が既にわかっており,推奨度の高い治療から順番に選ばれます.

これは「標準治療」と呼ばれます.

 

でも,皆が皆うまくいくわけではなく,例えば同じ薬を投与しても,いまいち血糖コントロールが改善しなかったり,副作用が強く出てしまう方がいますよね.

また,同じような血糖コントロールの方が2人いても,低血糖の頻度や,糖尿病の合併症の起こり具合が違ったりしますよね.

なぜでしょうか?

それは,一人ひとりの性別や年令,体型,生活習慣,薬剤の感受性(効きやすさや副作用の出やすさ)が違ったり,併用している薬剤があるから,など色々な要素が絡んでいるからです.

 

さて,さいきんになって,「個別化医療」という考え方が出てくるようになりました.

じつはすでに,糖尿病診療においては,個別化医療に近い考えはある程度浸透しているんです.

 

例えば,いまの糖尿病治療では,まず患者さんの年齢,ADL(生活の自立度),現在の治療薬,糖尿病合併症などの状況で,目標とするHbA1cの値が変わってきますよね.

また,(2型糖尿病においては,)「必ずこれが効く」という糖尿病薬はなく,仕事や運動習慣・食生活,内因性インスリン分泌能,肥満の有無などで,効きやすい薬剤が違いますよね.

ここらへんを総合的に勘定しつつ,医者は「この薬が効きそうだな」という薬を経験的に選択しています.(日本糖尿病学会「2型糖尿病の薬剤療法のアルゴリズム」を参照)

 

しかしながら,さいきんの糖尿病の治療方法は実に多彩になり,糖尿病治療薬だけでも

・インスリン (たくさん種類がある)
・イメグリミン
・グリニド
・チアゾリジン
・メトホルミン
・α-グルコシダーゼ阻害薬
・DPP-4阻害薬
・GLP-1受容体作動薬 (注射,内服)
・GLP-1/GIP デュアルアゴニスト
・SGLT2阻害薬
・SU薬

という感じで,慣れていないともう何を使っていいかわからないわけです.

 

そこで,客観的な指標として,ひとひとりの遺伝子の情報を根拠として,適切な治療を提供しようという動きが出てきました.

 

続きます!

 

 

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