なりたくてなった訳じゃない

糖尿病について話すとき、「自己責任」という言葉がすぐに出てくる場面があります。

診断を受けたあと、なにが悪かったのかと考えてしまうのは自然なことかもしれません。けれど、何かひとつの行動や選択で発症した、というような単純な話ではありません。

糖尿病は、体質、年齢、ストレス、社会的な立場、生活環境。そうしたものが複雑に絡み合って、あるとき、血糖値の異常として表に出る。ただそれだけのことです。

 

にもかかわらず、糖尿病に対しては「自己管理ができていない」「怠けていた結果だ」といった偏見が、いまだに根強く残っています。

こうした空気の中で生活するのは、正直、しんどいです。

食事に気をつけても、運動をしていても、数値が思うようにいかないと「サボっている」と見なされる。病気に向き合っているはずなのに、いつもどこかで「疑われている」感覚がつきまといます。

なりたくてなった訳じゃない。

この言葉は、言い訳ではありません。ただの事実です。

病気の背景には、その人が置かれている状況や環境がある。そこを無視して、結果だけを見て責めるやり方は、現実的ではないし、公平でもないと思います。

必要なのは、「ちゃんとやっているか」のチェックではなく、「どんな条件の中で、どう工夫しているか」を共有することだと感じています。

そして、そういう視点で話ができる相手がいること。

それが、糖尿病をもって生きていくうえで、とても大きな意味をもつように思います。