糖尿病をもつ人は、スマートウォッチをつけよう

スマートウォッチの機能は、ここ数年で本当に進化しています。
なかでも不整脈、とくに「心房細動(Af)」を見つける機能には、早期発見効果が期待されており医療の現場でも特に一定の信頼が寄せられています。
たとえばApple社が提供しているApple Watchなどがありますが、心拍の変化を検知するセンサーがついていて、不整脈の兆しがあると自動で通知してくれる仕組みになっています。
不整脈検知の通知
最近ではApple以外のほかのメーカーが発売しているスマートウォッチにも搭載されることが増えてきました。
心房細動を早期発見する意義
さて、この心房細動という不整脈、
実は、糖尿病をもつ方にとって他人事ではありません。
ある大規模な疫学研究では、糖尿病のある人は心房細動の発症リスクが約1.4倍高いと報告されています。また、血糖マネジメントが不十分な場合や、糖尿病の罹病期間が長いほど、リスクはさらに高まることがわかっています。
心房細動が続くと、心臓の中で血液がよどみやすくなり、その結果、血のかたまり(血栓)ができてしまうことがあります。これが脳に飛んでしまうと、脳梗塞を引き起こします。しかも、突然・重症で、後遺症が残りやすいタイプの脳梗塞です。
だからこそ、スマートウォッチによる心房細動の検知は、とくに糖尿病のある人にとっては意味がある可能性があります。
実際、数十万人を対象にした大規模研究(Apple Heart Study)でも、スマートウォッチからの通知が、医療機関での検査と一致したケースが報告されています。
スマートウォッチ単体で血糖測定はできない
一方で、注意が必要なのが「血糖値が測れる」とうたっているスマートウォッチです。
最近こうした製品が増えてきましたが、
実は、皮膚を通して正確な血糖値を測定する技術は、まだ医学的に確立されていません。
日本糖尿病学会などの学会も、「使わないように」と公式に注意を促しています。
実際に、正確でない数値を信じてインスリンの量を調整してしまうと、
命に関わるような低血糖や、高血糖による急性合併症を引き起こすリスクがあります。
つまり、スマートウォッチのなかでも、
科学的に根拠のある機能と、そうでないものが混在しているというのが現状です。
便利そうに見えても、体に関わることだからこそ、
「信頼できる情報」に基づいて使いこなすことが大切です。
