糖尿病内科のセンセイから血圧が高いって言われたから薬を薦められたワン。
※マージョリーくんは、膵臓をとっているのでインスリン注射をしているのだ。
そうなんだ。心配だね。で、薬もらってきたの?
なんか怖かったから断ったワン。それで、代わりにケツアツサガールサプリメントを買ってきたワン。
え!?
「薬は拒否するのに、サプリメントは飲む」。そんな行動に、違和感を覚えたことがある人も多いかもしれません。
実際に診療していても、そうされる方は多くいらっしゃいます。
医師から勧められた糖尿病の薬は飲まない、でもサプリメントは飲む、という方はどういうお考えなんですか?
— おだQ🧬💉 (@OdaQ_DM) 2024年12月26日
もし、そういう方いらしたら本気で教えてください🙇
なんとなく不思議に思っていたので、「なぜそんな選択を?」という問いかけをしたところ、予想を超えてさまざまな声が寄せていただきました。
今回はその中から、多くの人が共感・納得していた背景や心理を整理してみます。
「病気を認めたくない」という気持ちがある
以前にそういう患者さんと深く話したことがありますが、私の解釈では『自分が病気であるということを無意識下では受け入れていない』というのが結論でした。
— どわ (@dworkinmtg) 2024年12月26日
圧倒的に共感があったのがこちらの返信です。
「薬を飲む」という行動そのものが、「自分は病気なんだ」と認めることに直結する——そう感じる人は少なくないようです。
自分はお医者さんからの指示、相談した結果は遵守していましたが
— らいめん (@tonyo_metabo) 2024年12月26日
頑なに守らない友達がいました
そいつが言うには「調べたらこれがええらしいねん」
「こう〇〇が言っててん」「病気って認めたら負けやん」
ようは認めたくなくて
与えられた(医者からの指示)より自分で調べた結果を信じたいのかなと
「病気って認めたら負けな気がする」という言葉からは、「健康でありたい」という思いの強さがにじみ出ています。
薬=病気の証、っていうイメージがあるのかもね。
サプリは「自然」で、薬は「化学」?
一般の方の感覚ってなんとなく
— かんな@食楽を目指す管理栄養士👩⚕️🍱 (@RDkanna2024) 2024年12月26日
薬→化学的な薬品が合成されたものでよくわからないし怖い
サプリメント→食品の中の良いと言われてるもの(栄養)が凝縮されたもの
という考えで、薬は敬遠するけどサプリメントは薬飲まなくて済むように飲む、みたいな感覚の人が多いと思ってるんですが違いますかね❓
サプリメントは「食品成分が凝縮されたもの」、一方で薬は「化学物質」という認識は確かにあるかもしれません。
実際のところは、どちらも工場で化学的に作られているものですが、「サプリ=安全」「薬=怖い」と感じてしまう心理的な壁は根強くあります。
「自然に治したい」「糖尿病の薬を飲むと糖尿病が悪化する」「病院は薬漬けにして依存させて儲けようとしている」←実際に言われた
— ぱぴこ (@Papic0_o) 2024年12月26日
中には「薬を飲むと逆に悪くなる」「医療は儲けのため」といった、医療への不信感が根底にあるケースもある・・・かもしれません。
情報の見え方が違う
「糖尿病 治す」「血糖値 下げる」とネット検索すると、上位に出てくるのは医薬品ではなくサプリメント関連の情報ばかり。
薬の広告は規制されてるから、サプリの方が目立ちやすいワンね。
そうやって繰り返し見ていると、「サプリの方が効きそう」と感じるのも無理はないのかもしれません。そこらへんは、広告が厳しく制限されている医薬品に比べて、サプリメントメーカーのマーケティングが勝利しているのかなとも思います。
「自分で選んだ」という感覚
以前聞いた話、医師から「まだ飲んでも飲まなくてもどっちでもいい」と言われたとして(まずそこに錯誤がある可能性もあり)、薬は飲み始めたら一生飲むことになるから、自分の意思でコントロールできる?サプリでなんとかするんだ、という人はいました。
— アキ (@bluefwwht) 2024年12月26日
「これがよさそう」と調べて選んだサプリメントは、あくまで「自分で選んだもの」。
それに対して処方薬は、誰かから「出されたもの」。
どちらに信頼感がわくかは、人それぞれですが、自由に選んだり、飲むか飲まないをコントロールできる方が安心感があるというのは、理解できる感覚かなと思います。
加えて、サプリメントは栄養という位置づけで、否定せずに受け入れやすいのかもしれません。
サプリメントの商戦は症状のでない慢性疾患と相性がいい
そもそも、糖尿病のような慢性疾患は、放っておくと合併症になるのですが、初期には目立った症状がないため、「元気だから大丈夫」と思ってしまいやすいのも特徴です。
「今すぐ困らない」ことが、かえって治療を遠ざける要因にもなってるかもね。
じゃあ、どうしたらいいのか?
この問題に明確な正解はありません。なぜなら医療者側にもある程度の責任があると思っていて、「なぜサプリを選びたくなるのか」「なぜ薬に抵抗があるのか」という背景を考えることは、ヒントになるかもしれません。
大切なのは「薬を飲む or 飲まない」ではなく、納得して選べるかどうか。そのためには、信頼できる情報に触れる機会や、じっくり考える時間が必要なのかもしれません。
人の数だけ選び方があるワンね。でも、未来の自分の体も大事にしてほしいワン。
個人的にはとても診療の勉強になる機会でした。