Pipipi...
うわ?!びっくりした!何の音かな?!
リブレの低血糖アラームが鳴ってるワン.・・・大変だ,低血糖だワン.すぐにコーラを一気飲みするワン.ごくごくごく・・・
※マージョリー君は,すい臓がないのでインスリン注射が必要なのだ.
いきなりそんなに糖分とって大丈夫!?
~1時間後~
あれ?低血糖がなかったことになってるワン.血糖も300になっちゃったワン.
フリースタイルリブレ は、「間歇スキャン式持続血糖測定器(isCGM)」とよばれる血糖モニタリング機器です.血糖概算値のリアルタイムな推移が見れるのと、寝ている間も血糖のヨコの流れがわかるので、夜間低血糖もわかる非常に便利な機器です。
患者さん向け:FreeStyleリブレ・FreeStyleリブレLink特徴|FreeStyleリブレ情報サイトより引用
このセンサーは,血糖値を直接測定しているわけではなく,中央から長さ5mmくらいのフィラメントが脂肪組織の中のグルコース(糖分)濃度を測定し,アルゴリズムを用いて現在の血糖値を概算しています.
そのため,場合によってはタイムラグが生じることがあります.
以下に例として筆者のデータを提示します.
<実例1>リブレのアラートがなり,グルコース値は56mg/dLとのことであった.低血糖症状がなく,変だなと思ってたら,10分後スキャンした際にデータが修正され70mg/dL弱をカスっただけになっていた.
<実例2>リブレのアラートがなり,グルコース値は211mg/dLとのことであった.上矢印だったので,インスリンの補正うちを考えていたところ,10分後にスキャンしたら200mg/dL弱をピークに下降していた.
つまり,特に急激に血糖値が上昇・下降しているときは,誤差が大きくなりやすい傾向がある,ということですね.そのため低血糖があっても,あせらずにブドウ糖10グラム程度の摂取にとどめて,少しずつ血糖の挙動を確認するのがいいですね.
とはいえ,低血糖対応は遅れてしまうと体に影響も大きいため,不安な場合は血糖測定器での実測が望ましいと思います.
同様に,インスリンの補正うちをするときも,1-2単位ずつの少量で様子をみたほうがいいです.
あせって大量の糖分を摂取したり,インスリンの補正投与を多くした結果,上下に不安定になってしまうという方もいらっしゃいます.
持続血糖測定器を開始された方は,一時的にこの「リブレのそそっかしさ」に翻弄されて血糖マネジメントが不安定になることがあります.日常診療で感じることは多いのですが,今のところ医学的なエビデンスはなく,該当する用語もないです.
持続血糖測定器がもっと普及したら,なにか用語がつくかもしれないワン.