この記事のまとめ:インスリンの注射に適した部位はいろいろあるけれど,ボーラスインスリンの血糖の挙動が違う.いつもと違う場所に注射するときは血糖推移に注意を.
今日は厚着でおなか出せないし,太ももにインスリンを打ってみるワン.
※マージョリーくんは,すい臓がないビーグル犬なのだ.
太ももに注射すること結構あるの?
気分次第で適当に変えてるワン.
注射する場所で,割りと挙動が違うから注意したほうがいいね.
インスリンの注射は脂肪(皮下組織)が豊富にある部分が適していると言われています.教科書ですとかインスリン注射に関するパンフレットには,
・お腹(腹壁)
・二の腕部分(上腕外側)
・太もも外側(大腿部)
・おしり(臀部)
が適している,と書いています.
注射部位は図に示した箇所ですが、自己注射では腹壁(お腹)や太ももが注射しやすいと思います。ただし、注射部位によってインスリンの吸収に若干差がありますから、主治医や薬剤師、看護師に相談しましょう。
注射は同じ注射部位内で、毎回2~3cmくらいずつずらしていきます(これをローテーションといいます) が、原則として、(今回はお腹で次は太もも、明日は腕のように)注射部位を毎回変えることはしません。
さて,ここにも記載されていますが,「原則として注射部位を毎回変えることはしません」とありますね.なぜでしょうか?
それは,インスリンが吸収されて効き始める速さがそれぞれ異なるからです.
一般的には,お腹(~15分) > 二の腕(~20分) > 太もも≒臀部 (~30分)
といった順番で効きが遅くなると言われています.言い換えると,注射する場所によって,血糖の挙動が変わってしまいます.
また,運動した場合は手足の血流が良くなりますから,これでも効きが早くなるとも言われています.
なので,医師によってはこういった部位ローテーションはしないように指導するという先生もいらっしゃいます.(ここらへんはやや思想という側面もありますので,正解はなさそうです.)
ちなみに僕の場合は,インスリンの挙動が変わることがわかっていて,しっかり血糖モニタリングできるという方ならどちらでも良いんじゃないかと思っています.
インスリンの注射なんてどこでもそんなに変わらないと思ってたワン.
トレシーバ®やランタス®,グラルギンなど,いわゆる時効型インスリンは問題なさそうだけど,超速効型インスリンは注意だね.
参考文献:
1) Pediatric DiabetesVolume 19, Issue S27 p. 115-135