糖尿病医の糖尿病日記

糖尿病(MODY3)の糖尿病医が糖尿病の記事を書きます.

果物を食べた手で血糖測定してみた。

さてさて、インスリンを打つために血糖測定をするワン。

ちゃんと血糖測定して偉い。

血糖253もあるワン。そんな高い感じはしないのに変だワンね?
でも念のためインスリン多めに打っとくワン。

ちょっと待って!
もしかして、さっきブドウ食べた手を洗わないで測定した!?

 

 

 

夏も終わりに差し掛かり、そろそろ秋ですね。

秋は食欲の秋、果物が美味しい季節です。

ブドウ、桃、りんご、などなど。

 

果物は手で食べることも多いと思いますが、血糖測定するときは注意が必要なことはご存知でしたか?

血糖測定器は果汁中のブドウ糖も検知してしまいますから、本当の血糖値よりも高く出てしまうことがあります。

 

 

 

なお、このときの本当の血糖は122mg/dLでした。

もしインスリンの補正うちを行ってしまうと、予期せぬ低血糖につながってしまいますね。

 

 

なお、桃での測定結果もいただきました。

これも中々ですね。

 

 

 

さてさて、出先で果物で食べてベタベタになった指で血糖測定をしたかったら、アルコール綿でガシガシすればよいか、それとも手を洗ったほうがいいんでしょうか?

血糖測定器で有名なアークレイ株式会社の報告ですが、「ブドウの皮をむいた手で、いろいろな条件下で血糖を測ってみた」、という研究があります。

1. 普通に血糖測定
2. ブドウをむいた手で、そのまま血糖測定
3. ブドウをむいた手を水洗いして血糖測定
4. ブドウをむいた手でアルコール綿消毒1回血糖測定
5. ブドウをむいた手でアルコール綿消毒5回して血糖測定


上の結果をみると、果物をむいた手はアルコール綿でガシガシしても果糖が指に残ってしまい、測定値に影響が出てしまいます。結局は水洗いが効果的なようですね。

 

 

 

手を洗って測り直したら122だったワン。

そうそう。あのまま多めに打ってたら低血糖になってたと思うから気をつけてね。