糖尿病医の糖尿病日記

糖尿病(MODY3)の糖尿病医が糖尿病の記事を書きます.

あたらしい糖尿病薬イメグリミン(ツイミーグ®)

あたらしい糖尿病薬ツイミーグ、2022年9月から長期処方が可能になりますね。

ツイ、、、ツイッター??

ツイミーグです!

糖尿病のあたらしい薬がどんどん増えていって訳わからなくなるワン。。。

 

ツイミーグ®は一般名イメグリミンという糖尿病薬で、2021年9月に発売された薬です。2型糖尿病の標準治療薬、メトホルミンに似た構造をもつ新薬です。

現在は発売して1年未満のため14日までしか処方を受けられませんが、2022年9月から長期処方が解禁されます。

 

 

 

近年の研究では、「ミトコンドリア」という細胞内小器官がヒトの老化に関係しているのではと言われています。ミトコンドリアは細胞の中の発電機のようなもので、ブドウ糖からエネルギーをつくり出す機能を持ち、生命活動にとても重要な機能を持っています。

ブドウ糖をエネルギーにする器官ですから、当然、からだの血糖の調整機能にも大きく関わっています。

たとえば加齢は2型糖尿病の発症原因ですが、これは 古くなった(老化した)ミトコンドリアがすい臓ベータ細胞内に蓄積し、若いミトコンドリアを持つベータ細胞に比べてインスリンの産生能力が低下することが一因といわれています。

 

 

 

イメグリミンは、このミトコンドリア機能を改善させる薬です。
ミトコンドリア機能が改善すると、以下ふたつの効果が期待されます。これがイメグリミンの主作用になります。

①体内でのブドウ糖の消費効率が上がる(インスリン抵抗性が改善する)

②すい臓ベータ細胞のインスリン産生能力が上がる

 

また、まだ発売されて間もないため長期の効果は不明ですが、ミトコンドリアの寿命が改善するとすれば、将来のインスリン分泌低下も予防にもなるのではとも期待されています。

 

きになる値段ですが、1錠あたり34円と最近の新薬にしては安めです。標準使用量は1日4錠なので、1日あたり136円 (3割負担で40円ほど)なのでDPP4阻害薬と同じくらいの価格になります。

 

 

 

ちなみに気になる名前の由来ですが、、、

ツイミーグ(TWYMEEG)は、Dualを意味する”twin”と一般名の”imeglimin”から命名しています。 グルコース濃度依存的なインスリン分泌を促す膵作用と、肝臓・骨格筋での糖代謝を改善する膵外作用(糖新生抑制・糖取り込み能改善)という2つのメカニズムで血糖降下作用を示します。

ツイミーグ:名前の由来|住友ファーマ 医療関係者向け

とのことです。

 

ツイッターアカウントつくってみたワン。1万フォロワー目指してイヌフルエンサー目指すワン。

(聞いてないな、、、)

 

参考文献:

1) Diabetes. 2015 Jun;64(6):2254-64.}

2) ツイミーグ®錠 500mg 添付文章 2022年4月改訂(第3版)

3) ツイミーグ:名前の由来|住友ファーマ 医療関係者向け