糖尿病医の糖尿病日記

糖尿病(MODY3)の糖尿病医が糖尿病の記事を書きます.

僕がMODY(若年発症2型糖尿病)と診断された話①

僕は10歳の時に糖尿病と診断されました.若くして発症しているので,糖尿病の知識がある方によく「1型糖尿病ですか?」と聞かれます.

いいえ,ちがうんです.
MODYという,あまり知られていない糖尿病なんです.

今回の記事は,僕自身の体験記になります.

 

f:id:OdaQ_DM:20210326212517j:plain

 

MODYって何?糖尿病はどんな種類がある?

糖尿病は,大きく4種類に分類されます.

若くして発症することが多い「1型糖尿病」,ある程度年齢を重ねてから発症する「2型糖尿病」,妊娠が関係して発症する「妊娠糖尿病」,遺伝子異常などが関係する「その他の糖尿病」があります.

f:id:OdaQ_DM:20200930220641p:plain

MODYはその中でも一番最後の「その他の糖尿病」で,
モディーと読みます.若年発症2型糖尿病とも言います.

簡単に言うと,遺伝子のうち,血糖を下げる「インスリン」の設計図に異常が起きてしまい,若くして糖尿病を発症してしまう遺伝病です.

 

MODYについて詳しく知りたい方はこちらの記事もご参照ください.↓

odaqdm.com

   

この記事を書くに至ったきっかけ

僕は趣味でTwitterを利用しています.普段はどうでもいいツイートばっかりしていますが,糖尿病の方と交流をするのが好きです.

 

なかでも1型糖尿病の方と,その家族の方のアカウントは多いように感じます.

診断されたばかりで不安な方,何十年も付き合っている方,勉強熱心な方,僕と同じように糖尿病であり医師でもある方,役立つ情報発信をされている方,ちょっと??な情報発信をされている方,など,,,

それぞれの方に刺激を受けています.

 

それで,Twitterには個人同士にメッセージを送ることができる「ダイレクトメッセージ」という機能があり,色々なお言葉をいただくことが多いです.

その中に,

  • 「自分は子供のときから1型糖尿病と言われていますが,もしかして自分はMODYではないでしょうか?」とか,
  • 「1型糖尿病と言われていましたが,センセイの記事がきっかけで遺伝子検査を受けることになり,結局MODYの診断になりました.」など,

僕がきっかけで診断に至ったという方がちらほら現れました. 

(もしかして,10歳に2型糖尿病の診断を受け,遺伝子検査でMODYと診断されるまでの体験記は,需要があるのでは??)

と思い記事にすることにしました.  

 

きっかけは,血糖測定

僕のおじいちゃんは糖尿病だったみたいです.

僕が生まれたときにはもう亡くなっていましたが,60歳頃に心不全が原因で亡くなったようなので,ちょっと短命ですよね.
今考えると,糖尿病が原因だったのではと思います.(当時は今と違い,治療薬も少なく,食事・運動療法以外の選択肢も少なかったようです.)

 

父もまた糖尿病でした.

僕の物心がついていた頃には,父親は既に2型糖尿病の診断を受け治療を受けていたと思います.仕事で忙しく,いつも家を空ける事が多かったので,仕事で無理しすぎたかなーと笑っていました.

僕と違って(笑)几帳面な父親でしたから,毎日毎日,自宅用の血糖測定器を使って血糖を測定し,カレンダーに書くのが日課になっていました.

僕が10歳のある日,どんな経緯かは忘れましたが,お前も測ってみないか?といわれ,面白そうだな,と思い測ってみることにしました.

今思えば,この時に測定していなければ,発見がずいぶん遅れてしまったかもしれません.

 

当時使っていた血糖測定器は,一番ひだり よりもう少し前の世代で,小さな電卓くらいの機械でした.

まず,血糖測定器に使い捨ての電極チップを挿し込み,エンピツのようなバネ付きホルダーに針をセットします.
そして,ホルダーのボタンをエイヤと押すと,指に針が刺さります.これが結構痛い.

今の血糖測定器とは違って,針も太く,むき出しの構造をしているので,緊張して何度も「やっぱりやめようかな」と思いました.

そうしてゴマ粒くらいの血液を絞り出せたら,電極に血液を着けて15秒待ちます.

 

結果は205.

 

正常の血糖は80から125くらいなので,2倍以上も高い値になります.糖尿病の知識がまったく無かった自分でも,「高すぎる」と思う値です.

これはおかしいと思って,何度測っても200を超えていました.焦りと混乱とで,もう痛みなんて全く気になりません.

最初は笑っていた父親も,次第に険しい表情になっていきました.

 

これが糖尿病との長い付き合いの始まりでした.

 

   

 

続きます.